ヴェネツィア・スクラップブック

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アックア・アルタ:通常レベル編


前回ご紹介した11月11日のヴェネツィアのアックア・アルタ(水位が上がる現象)は水位149㎝という高水位だったけれども、秋冬を中心に何度も起きる通常レベルの水位のアック・アルタを今回は簡単にご紹介。
つまり、「地元の人の日常生活に馴染んだレベルの浸水」のご紹介。
こちらヴェネツィアにお住みの方には「なにを今更」という内容なので、どうぞ読み飛ばしてください。
ちなみに写真は10月末のものです。

アックア・アルタの水位100㎝以上の場合には、水が上がる数時間前に街にサイレンが鳴ります。
以前はウーウーと鳴るまるで空襲警報か?と思う様なサイレンでしたが、少し前から変わって、デジタル音で水位によって音の高さが変わって行くのでより分かりやすくなりました。
自治体のサイトで事前に予報も確認できるし、住民は登録すると携帯に高水位の場合にSMSが入るようにもなっています。

こちらは私の住むアパート前の路。

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水がジワジワと浸み出し・・・

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だんだんと路を覆い・・・

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こうなります。
これが1~1時間半位のうちに起こるので、「ちょっとそこまで」とぶらりと買い出しに出掛けたりすると、行きは無事でも帰りには浸水、ということもあり。

でも、長靴を履けばそれで済むので、地元の人達はいつもと変わらず、長靴を履いて出ます。

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私が「魚屋長靴」と呼んでいる、腿まである長靴も、ここヴェネツィアで履いているのはもちろん魚屋さんだけではありません。
ちなみに今年は私も購入を検討中。

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バールでも、浸水した店内でいつものように、カフェを飲んで。

浸水防止の為に、お店などでは入口に金属板を設置します。
浸水時の、お店の出入りは、こんな感じで。

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街の中の所々には、パッサレッレと呼ばれる歩行用の台が設置されるので、そこを渡れば水に濡れなくてすみます。が、台は途中で切れていたりもするのでご注意。

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ツーリストの人で、浸水している時間帯に移動する人は、お気の毒。
こんなことになってます。

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ビニール製のカンタン長靴も売っています。大体10ユーロ位。

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ちなみにアックア・アルタが起こるとその時間帯は、水上タクシーが小さな橋の下を通れなくなる為(水位が上がるので)、いつもはホテルまで辿り着ける筈が、ずっと手前で降りなくては行けなくなります。
逆にホテルから出発する場合には、同じく水上タクシーがホテルまで来られない為、自力で水上タクシーが来られるポイントまで移動しなくてはいけません。これは、なかなか大変。
カナルグランデ(大運河)沿いのホテルなら、問題はありませんが(小さな橋をくぐる必要がない為)。
なんとも特殊なヴェネツィアの交通事情・・・。

水は数時間すると引いていきます。浸水していたのがウソのように引いていく。
それから地元の人達は、一斉に掃除開始。

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こちらは、浸水した同じ路の、ビフォア&アフターの写真。

通常レベルのアックア・アルタのご紹介、でした。
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by sumiciki | 2012-11-17 00:37 | ヴェネツィア

アックア・アルタ、149センチ

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ブログアップ、大分長いことご無沙汰してしまいました(見てみたら前回のアップから3カ月以上経っていた・・・)。

先週日曜日のこちらヴェネツィアのアックアアルタ(高潮現象)による浸水の状況が日本のニュースなどで大きく採り上げられたようで、日本の友人知人の皆さんから「大丈夫??」というご心配メッセージをたくさん頂きました。ご心配いただき、どうもありがとうございました。
全然大丈夫ですので、ご安心を。

確かに当日は大変だった。
よりにもよって、私は最高水位の時間帯にサンマルコ近く(地面のレベルが低いため浸水がひどいエリア)で仕事。膝丈の長靴はもはや役に立たず、腰まで濁った水に浸かりつつ、ザブザブと水の中を掻き分けながら移動していました・・・。

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当日のサンマルコ広場の写真。できることならここは通りたくなかった・・・(涙)。
観光施設や店舗は全てクローズ。
いるのは、喜ぶ(?)観光客のみ、という状態。

こちら↓は、サンマルコ小広場入口。雨と風で、波打ち際のようになっていた。

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通常の水位の場合には歩行用の台が設置されるのだけれど、この日は水位が高く(台の高さ以上に水が上がる)、台も流されてしまう為、既に撤去されている。
ので、移動する観光客は放置されていたカフェの椅子の上を歩いていた。

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広場内のカフェのテーブルや椅子はこんなことになっていた。

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サンマルコ小広場から、サン・ジョルジョ・マッジョーレ島を見ると、運河と路の区別が既につかなくなっている(ちなみにゴンドラの向こうが運河、手前は普段は路、であったところ)。
この頃になると、私も全身濡れネズミ状態だった・・・。

ちなみに、サンマルコ近くのホテルはというと・・・。
レセプションでは、浸水したままホテルのスタッフが対応していた。なんともお気の毒。しかし彼等は慣れている。



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ホテル入口に水の侵入防止用の金属板を設置するも、もはや役に立たず。

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ホテル内の朝食ルームも、こんな状態に。

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ホテルのロビーも当然ながら水に浸かっている。全てのテーブルや椅子の脚をビニールでカバーしている。ホテルのスタッフも、なんとも大変なことです・・・。

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トイレ内・・・(こんな写真ですみません)。

市民と観光の足となる水上バス「ヴァポレット」は運休だったり区間限定での運転となり、水上タクシーは強い風と波のためラグーナ(潟)を渡る事ができなくなり運休(街の中のみ運行)。つまり交通手段が激減する。この時間帯に駅や空港に向かわなければならなかった観光客の方達は、さぞ大変だった事だろうと思う。雨の中、スーツケースを肩に担いだり頭の上に乗せて(水位が高いので手に下げていられない)ザブザブと水の中を裸足で行く人も・・・殆ど拷問に近い状態である。


これらの写真だけ見ていただくと、「ヴェネツィア大変!大丈夫??」と思われるかもしれませんが、(そして日本でも「ヴェネツィアがピンチ!」という様な形で報道されているらしいですが)、これが、全然大丈夫なのである。

これだけ凄い浸水で、その時間帯は大変極まりないのだけれど、水は数時間経てばすっかり引いてしまう。
そしてヴェネツィアの人達はそれを誰よりも知っているから、落ち着いたものである。
彼等は腰丈まである長靴(←魚屋さんが履く様な長靴)を履き、水に浸りながらバールでいつもの様にコーヒーを立ち飲みしている。地元の人にとって、水位は高いがいつものアックア・アルタの延長でしかないのではないかと思う。

もちろん事前に店では商品を上げたり、歩行台を設置したり、休業せざるを得なかったり、浸水後に掃除をするのは大変だし不便ではあるけれど、「水はやがて引く」という事を知っている安心感というのは、なんとも大きいものだな、と、彼等を見ていると感じる。

これだけ浸水しても、別に救助隊が出動する訳でもない。水に流されて行方不明者が出る訳でも、避難民が出る訳でもない。建物が倒壊する訳でもない(浸水による傷みはあるとしても)。そちらの方が断然「凄い」のではないか、と思う。

だから、本当に「凄い」のは、浸水したサンマルコではなく(まあそれはそれで大変なのだけれど)、それがまた暫く時間が経つと引いていく、そんな街を造り上げ水をコントロールして来た、ヴェネツィアの先人達の知恵と努力がではないか、と思うのは、私だけだろうか。

日本のニュースでも、浸水したサンマルコの映像だけではなくて、その後グングンと水が引いていく様子も報じれば、もっと「ヴェネツィア」が特殊な街だという事が伝わるのではないかと思うのだが・・・。

ちなみにこの時期はイタリアでも全国的に悪天候で、トスカーナ地方などで川の氾濫など大きな水害が出ている。イタリアの全国版ニュースで悪天候を報じた報道では、もちろんヴェネツィアで「記録的な水位のアックア・アルタ」と報道はされたが、それよりも先に他の地方の被害を大きく採り上げている。
だから深刻なピンチなのはむしろ普段水に慣れていない(街の構造自体が違う)他のイタリアの街の方だと思うが、日本の報道ではヴェネツィアの浸水ばかりがピンチと採り上げられているようだ。


最後に、数時間経って水がすっかり引いた後のヴェネツィアの街の風景(リアルト橋付近)。少し前まで川状態だった場所が、何事もなかったかのように元に戻っている。
浸水で大変な目に遭った私としては、「さっきの苦労は一体何だったんだ・・・」と虚しくなるひとときである・・・。なんとも気まぐれなヴェネツィアの街、なのでした。

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by sumiciki | 2012-11-14 21:30 | ヴェネツィア

ヴェネツィア在住。雑記帳ブログ。
by sumiciki
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