ヴェネツィア・スクラップブック

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「赤鬼と青鬼のタンゴ」にシビレる

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今回の日本滞在中、家でテレビ(NHK)をつけっ放しにしていたら、突然「みんなのうた」が始まった。
「おっ・・・」と思わずテレビに近寄った途端、なんと懐かしの「赤鬼と青鬼のタンゴ」が画面から溢れ出して来たではないか。
ずーっと忘れていたけれど、歌が始まったら自分の口から歌詞がスラスラと出て来ること出て来ること、我ながら驚いた。「あーきかぜの、フー、わーすれもの、フー」と、一緒に一曲、全部歌った。(ちなみに歌は「あしたのジョー」の尾藤オサムさんだった。昔は知らなかったが)。
かれこれ、30年か35年位昔だろう、この歌を口ずさんでいたのは(年がバレるが・・・)。
アニメーションも昔のまま。タンゴのリズムに合わせて「フー!」と合いの手を入れるキュートなウサギ達もそのまんま。

ちなみに昔と変わらず2曲で構成されていて、もう1曲は「走馬燈」。岩崎宏美さんの艶やかな声の美しいこと。
この歌は憶えていないなあ、知らない歌だな、でもいい歌・・・などと思いながら聴いていたら、途中で突然、「あ、このメロディーとこの絵だったんだ・・・」とじーんと来た。冬、雪深く埋もれた山間の厩と、馬と着物の少女の絵。
全く忘れていたものが実は知っていたとはっとする瞬間の、懐かしさを伴う小さな驚き。この貴重な瞬間には、滅多に遭えるものではない。

やっぱり、歌は、ずっと歌われるのがいい。
「みんなのうた」は不滅だ。バンザーイ!
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by sumiciki | 2012-01-30 17:46 | 日本

「悪人」

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日本にいる間だからこそできること。
ということで、今回の日本滞在中、時間がある時にはできるだけDVDで邦画を観ていた。
観たい映画は沢山あって、結局、全然日にちは足りなかった(他にも遊び過ぎたということもあるのだが・・・)。

その中で出会った映画のひとつ、「悪人」は、私にとって大切な映画のひとつになった。
日本を出発する前に、もう一度観た。またしても良かったので、原作も読んだ。
いい映画、というよりも、自分にとって大切な映画というのは何だろうと改めて考えてみると、きっとそれは、映画を観終わって、月日が経って、映画の全シーンや細部までは思い出せなくなっても、その時にその映画を観て自分なりに考えたことがその後の自分の人生の別の局面で、自分の中の何処かにしっかりと根付いているだろう、という予感のする映画、ではないかと思う。

どういう人が「悪人」か。人を殺した人は「悪人」か。殺していなければ「悪人」ではないのか。殺された人には「悪人」の部分はないのか。自分は「悪人」ではないと言えるのか。「悪人」の家族に罪はあるか。それ以外の人はその人達を非難できるのか。「悪人」となるしかない悲しいまでの優しさは存在するのか・・・。
哀しい映画ではあるのだが、小説が映像となることで、また別の方法で、小説の世界を観る人の心に広げたような作品だった。

私は前宣伝も前評判も何も知らずにこの映画を観たのだが、作品の終わりのテロップを眺めていたら、原作者の吉田修一さんが、共同脚本として参加していた。脚本にまで参加する原作者も珍しいだろう。
文で全てを表現する小説と映像で伝える映画はそもそも媒体として違う訳だから、本の世界を観る人に映像で伝えるためには原作と全く同じシーンとセリフではうまくいかないわけで、そこの部分に敢えて原作者が関わって作品の世界を映像で伝えるチームの一員としてタッグを組むというのはおもしろい、と思った。吉田さん自身が柔軟な人なのかもしれない。

音楽が、久石譲さんだった。原作の小説を読みながら唸った、どうすれば文の世界からあのような音たちが生み出されるのか・・・。

「悪人」
監督:李 相日
原作:吉田 修一「悪人」(朝日文庫刊)
脚本:吉田 修一・李 相日
主演:妻夫木 聡・深津 絵里・樹木 希林・柄本 明 他
音楽:久石 譲
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by sumiciki | 2012-01-28 23:21 | 映画・舞台など

トイレ狂騒曲

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今日、日本のトイレは、スゴイ事になっている、と思う。ここまで来るともう、スペクタクルの域である。

先日、日本に旅行で来たイタリア人の友人(女性)は、トイレ(洋式)で用を足した後、洗浄用のボタンがどれか分からず、それらしいボタンを押した途端、ウォシュレットの水を顔面に浴びたらしい。(恐らく、ウォシュレットなどのボタン近く、つまり便座近くに顔を近づけていたものと思われる。)

ギャハハ、と他人事の様に話を聞いて笑っていた私だったが、先日親戚の家を訪ねた時、到着してまず手を洗おうと洗面所に入ったところで、蛇口を捻った途端、脇のシャワーから水が噴き出し、手を洗うつもりが髪に水を浴びた・・・。そうだった、日本の昨今の洗面所では、洗面所で朝シャワーとかなんとかで、シャワー水栓があったりするのだ・・・と気付いた時は遅かった。これはトイレではないけれど、前のイタリア人の友人を笑えない有様である。

先日渋谷のとあるデパートのトイレに入って、イタリア人の友人が被った顔面ウォシュレット攻撃の理由が頷けた。
ボタンが沢山、便座の脇に並んでいるのだが、全て日本語表記のみ。しかも洗浄ボタンだけがなぜか別に壁付けとなっているのであった。
別に「全てに英語表記を」と叫ぶつもりはないし、イラスト付きのボタンもあるのだが、もしここに英語表記があれば、トイレの個室内(つまり誰にも訊けない状態)での外国人の悲劇(喜劇?)はぐんと減るだろう。

まあしかし、仮に英語表記があったとしても、日本の(超)多機能トイレに初対面する外国人には、ワケが分からないのは同じではないか。

例えば・・・
用を足した後で、彼女(仮に女性用とする)に必要なことは、「洗浄」の一点に尽きる。
しかしどれが洗浄ボタンか分からないので、数あるボタンを片っ端から押していく。
水が流れる、と思ったら、水は流れずお尻に水が当たって「ひいい」となり、隣りのボタンを押すとその水ノズルが前方に移動(「ビデ」)、隣を押すと温風がお尻を撫でる。その隣のボタンを押すと、水は流れずなぜか水の音だけが聴こえてくる・・・。
外国人の利用者は、今日の日本人がトイレでの用足しという単純な生理的行動を、どれほどまでにスペクタクルに行っているか、ここで身をもって知るだろう。

用を足す前にだって、便座のフタは自動で開くは、便座に座るとほかーと温かいわ、驚きは多い筈(いちいち驚いているのは私だけだろうか)。

話は少し逸れるが、先にも触れた某社の「音姫」という、水の流れる音だけ出す装置。その装置の話をすると、私の周りのイタリア人の場合、かなり盛り上がる。
「女性は、自分が用を足している時の音を他人に聞かれるのが恥ずかしいから、そのリアルな音を消すために水の音が出る装置が日本の女性用トイレには付いている」というと、そのスペクタクルさに悲鳴をあげる。殆ど、未知との遭遇、である。
それに「もともとは実際の水を流して用足しの音を消していたのだけれど、それでは水が勿体ないという事で、節水の目的で水の音を出す装置ができた」という説明を加える事も可能ではあるのだが、ここまで話すと彼等には意味が分からず質問攻めの可能性大なので、これは敢えて言わない。

日本のトイレよ、何処までいくのか・・・。
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by sumiciki | 2012-01-12 03:12 | 日本

新春初ライブ!in 東京

知合いに誘って頂き、渋谷のライブ・ハウスTAKEOFF7に出掛ける。
民謡の歌い手伊藤多喜雄さん率いる「ヤポネシアンオールスターズ」が出演。
民謡、津軽三味線、尺八、ベース、ピアノ、ドラムのチームである。

民謡のライブは、初めてである。
民謡が、こんなにスッと心に入ってくるものだとは。自分でも意外だった。

話が飛ぶが、以前「オー・ソレ・ミオ」をアンドレア・ボチェッリが歌っているのを聴いて、ええっ?!と、はっとした事がある。誰でも知っている、そして誰もが口ずさむナポリ民謡を、彼が歌うとこうなるのか。こんなに美しい歌だったのか(別に歌が美しくない、と言っている訳ではないが)。

多喜雄さんの「こんぴらさん」や「ソーラン節」も、それだった。誰でも知っている歌が、こんな歌だったんだ、と。
民謡というのは、なんと聴き応えのある曲たちなのだ、と響く音を、腹で感じた。

「愛しき大地」という曲には泣いた。なぜ涙が溢れたか、は自分でも分からず。多喜雄さんの歌に泣けたのか、音楽に泣けたのか、歌の後ろに、被災した東北が被さって泣けたのか。これからも分からないだろう。
「いい歌に打たれた」のだ、ということだけが、確か。

多喜雄さんの前にも若手の方々の短いライブがあり、それらも津軽三味線だったりお琴などを使った演奏だったのだが、意外にも「和の音(お琴や三味線)とのラブソングがイケル」というのも発見。今時の日本人の女性の恋心を表現するのにも、和の音というのは素直で、しっくりしているのかもしれない。


「新春輪音祭」
出演:佐藤 通芳&吉度 模彌、ひめひおをぎ、ヤポネシアンオールスターズ[伊藤多喜雄(唄),柿崎竹美(唄),廣原武美(三味線),松本宏平(尺八),竹田弘樹(ベース),堀越明(ドラム),江草啓太(ピアノ)]
主催:渋谷TAKE off 7
2012年1月6日

伊藤 多喜雄さん オフィシャルHPはこちら↓
http://takiopro.com/
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by sumiciki | 2012-01-06 23:45 | 日本

日本で、テレビで見たものは・・・

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2012年1月3日、夜21時~23時の2時間特番で、年明け早くもヴェネツィア特集の番組を放映していた。
タイトルは、「BS民放5局共同特別番組TASUKI・つながる想い 石原さとみが巡る!水の都・ヴェネツィア ~受け継がれる1000年の伝統~」。
ご覧になられた方もいらっしゃるかもしれない。

私は、その時間帯は予定があって外出していたので、録画したものを翌朝観た。
「TASUKI」をテーマに、水の都ヴェネツィアに伝え継がれる伝統を紹介していく。ゴンドラ漕ぎとゴンドラ制作、ブラーノ島のレース編み、ムラーノ島のガラス、彫金、活版印刷、ヴィヴァルディの音楽、等々を、時々例えばドゥカーレ宮殿、トルチェッロ島のロカンダ・チプリアーニ(世界の著名人やヘミングウェイが滞在したことで知られる)、バーカロなどを織り交ぜながら紹介していく。

私も、「あ、ここ知ってる」とか「へえ、知らなかった」とか言いながら、楽しく観ていた。
1時間半位観たところで・・・「え!?」。
突然テレビに映っていたのは・・・私の住むアパートだった。

ちなみにシーンは、活版印刷のジャンニ・バッソさんのお店の紹介コーナーの前。
黄色い建物とその外壁にあるプレート(「ここにアルド・マヌーツィオが住んでいた」と書かれている)を映して、15世紀末~16世紀のヨーロッパに名を馳せた出版人アルド・マヌーツィオを紹介している、あの建物。
日本滞在中はヴェネツィアの友人にお世話をお願いしているグリーンの鉢植えも、綺麗に映っていた。

それにしても、私はしばしば寝ボケ顔のボッサボッサ頭で(当然ながら恐ろしいスッピン顔)窓を開け、鉢植えにジャバジャバと水をやっている・・・そんな時にテレビカメラが来なくて本当によかった・・・(まあそんな私を映すことも無いだろうが・・・)。

アルド・マヌーツィオについては、せっかくなのでポチポチ調べてみようと思っていたところ。今回テレビに先を越されてしまいましたが、またそのうちにボチボチとこちらのブログでもご紹介できたらと思っています。当時の出版を巡る世界というのは、なかなかエキサイティングなのです。
(ちなみに塩野七生さんの著作「海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年」「ルネサンスとは何であったのか」にも、アルド・マヌーツィオについて書かれています)。

それにしても、帰国&新年早々、我がアパートとテレビでご対面することになるとは、思ってもみなかった・・・。

(写真は番組HPより拝借。HPはこちら↓)
http://www.bsfuji.tv/top/pub/tasuki05.html
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by sumiciki | 2012-01-04 22:30 | 日本

賀正

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明けまして おめでとう ございます。

今年が、喜び多き一年と なりますように・・・。
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by sumiciki | 2012-01-02 13:13 | 日本

ヴェネツィア在住。雑記帳ブログ。
by sumiciki
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