ヴェネツィア・スクラップブック

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夜にぶらりと、徒歩3分

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東京に暮らしていた時は、ちょくちょく暇をみてはぶらりとお芝居やダンスの舞台、コンサートなどに出掛けていた。
ヴェネツィアに暮らしてお芝居というと当然イタリア語(もしくはヴェネツイア方言のことも)になる訳で、それはそれで観れば面白い部分もあるのだが、やはり言葉の問題で東京でお芝居を観ていた時のような、台詞がそのまま心に突き刺さる面白さを味わう、という事にはいかず、自然とお芝居を観る頻度が少なくなってきてしまった。
それに反して割合が増えたのが、音楽。言葉の無い、音を楽しむコンサートに行く機会が増えた。

先日も、友人に誘われてあるピアノのコンサートに出掛けてきた。ここ、私の住むアパートから徒歩3分の近さなのに、あまりにひっそりと路地に建っているものだから、今まで全く気付かなかった。「職住接近」のみならず「職住楽接近」のヴェネツィア生活。
コンサートは、フランスのロマン派音楽フェスティバルの一環らしい。

私は楽器の演奏の方はからっきしなので、
少しだけお代を払って、暫くの間演奏者に乗っかって、音の世界に遊ばせてもらう。

建物は広い劇場ではなく、小宮殿。天井画の美しい小さなサロンに通され、そこにいくつか椅子が並べられているだけ。劇場が建てられるようになる前、当時はこんなサロンで演奏会が開かれていたんだろう。
今日の演奏者はGeoffroy Couteau(ジョフロワ・クトー)。2005年のブラームス国際音楽コンクールの優勝者らしいが、「クン」付けしたくなる位若いイケメンの男の子が、ぶらりとやってきたような感じで現れて、その後は表情も豊かに、ピアノを弾くというよりはピアノという楽器そのものを響かせるような演奏でアルカンとショパンを聴かせてくれた。

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Palazzetto Bru Zane
San Polo 2368, 30125 Venezia
www.bru-zane.com

Geoffroy Couteau(Pianoforte)

Charles-Valentin Alkan
“Trente chants”
“Troisiéme suite op.65”

Frédéric Chopin
“24 Préludes op.28”
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by sumiciki | 2011-02-20 22:54 | イベント

軍服の「お天気おじさん」

ヴェネツィアに住み始めた頃、テレビの天気予報を観ながら「お?」と思ったことがあった。

国営放送RAIの天気予報のコーナーに登場するおじさんが、軍服を着て、イタリアの天気の説明をしている。
日本のテレビで所謂「お天気オネエサン」を見慣れている目には、この軍服の「お天気おじさん」達は、かなり新鮮、というか珍しく映った。テレビのテロップには、彼らがイタリアのミリタリー所属であることが表示されている。イタリア軍の人間が直接、天気予報の説明をテレビで行なっているのである。所(というか国)変われば、こんなことでも違うものである。

そんなこんなしているうちに日は経って、先日読んでいた司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」(ちなみに話の舞台は日露戦争前・中・後の時代)の中に、こんな一文を見つけた。
「戦争の運命を決定するのはときに気象であるということは、古くからいわれている。」確かにこれは時代を超えていえる事なのだろう。
気象の予報は、まずはその国に住む国民の生命の安全に努めるためにこそ必要なのだ。
テレビの天気予報に登場する軍服のおじさん達は、それらをストレートに表現するものとして、私の目に映った。
「あ、明日は雨だから洗濯物は干せないな、残念」と天気予報を観ている私は、なんとも平和なものです。

他の国々では、どんなだろう。もし御存知の方がいらしたら、いつでも情報お待ちしています。
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by sumiciki | 2011-02-17 23:44 | 日々の生活で

アーモンドは殻付きで

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このブログを始めて、初めて「食べ物」について書きます。

ただこのブログ、ヴェネツィアやイタリアの美味しいお店や料理をご紹介する目的のブログではないので、そのような情報をお探しの方、イタリア在住の私の友人達が本当に美味しそうにお店や料理をご紹介していますから、リンクからそちらをご覧ください(笑)。
なぜイタリア料理や美味しいオススメのお店をブログでお伝えしないのかというと、答えは簡単で、雑食性の私は写真を撮る前に美味い美味いとたいらげてしまうからです。
それにイタリアにはそれこそ日本人の料理のプロが大勢いますし、美しい写真と共に、詳しく料理法を紹介されています。

でも時々ハッとするような食べ物や食べ方・食習慣には出会うわけで、そのような食べ物を、私なりに時々採り上げていけたらと思います。きっと、料理というよりは、食材や地方の特色あるもののご紹介になるのではないかと思います。

最近のマイブーム、それは「殻付きアーモンド」。
日本にいた時には、アーモンドが殻付きで売っていることを想像すらしていなかった私。
殻を剝いて売っているものと殻付きのものとでは、こんなにも味の濃さが違うのか!と驚愕し、ここのところ食べに食べ続けている。
先日など、いつのまにか夕食のメニューが「アーモンド一袋」というまるで冬を迎える前のリスの様なことになってしまった。それ程に、美味しい。
私の食べっぷりに呆れながらもイタリア人の友人が教えてくれたところによると、南イタリア、特にシチリアのアーモンドが美味しいのだとか。いつか、シチリアにアーモンドを食べに行ってみよう。
ちなみに、ヴェネツィアでは、八百屋さんで袋入りで売っています。
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by sumiciki | 2011-02-15 00:24 | 食関係

元・ご近所さん達

私のアパートの近く(といっても徒歩約15分以内の範囲で)に滞在していた方々。

ほんの一部ですが・・・
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ここには15歳のモーツアルトが滞在し、
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ここにはジョルジュ・サンドが滞在。
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ここにはモディリアーニが、
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ここにはゲーテが。

他にも、ぶらりとヴェネツィアの街を歩くと、ジョン・ラスキンが、カサノヴァが、ワーグナーが、ヴィヴァルディが、バイロン卿が、その他諸々の人々がここで人生のひとときを過ごしていたのだ、という場所を見つけることができる。

子供の頃から日本でその名を知っていて、また作品を見たり読んだりしていた彼等が、今私の住む場所の近くに滞在して同じ景色(景色は殆ど変わっていないはず)を見ていたというのは、なんとも不思議な感じだ。
日本の伝統的な木造家屋と違って、石や煉瓦造りのヴェネツィアの建物は圧倒的に燃えにくい上、ヴェネツィアは地震が少ないこともあるだろう、昔彼等が滞在した建物がほぼ当時そのままで(一部改修はあるとしても)、現在でも使われている。

あちこちの建物の外壁には、先の写真のように「ここに何時○○が滞在した」「ここで○○が生まれた」「ここで○○が暮らした」「ここで○○が亡くなった」といった石のプレートが埋め込まれていて、道行く人にも分かる様になっている。

そういえば、以前パリを地図を持たずにぶらぶらと歩いていた時に、偶然「ここに檀一雄が滞在した」という建物外壁のプレートを見かけたのを、今も憶えている。人への追憶を外壁に残す、という考えは、共通のものなのかもしれない。

ヴェネツィアの街を歩くと、建物の外壁プレートには、もっと後の時代のものも見つかる。
今回の写真には無いけれど、例えば「ここで○○がファシストの凶弾に倒れた」というものや、ゲットーにあるプレートを見ると、ここヴェネツィアのゲットーからも200人のユダヤ人が収容所へ送られたということを知る事ができる。

「歴史ある街」と簡単に言ってしまうだけではピンと来なかった実感を、段々私も少しずつだが想像するようになってきている。この、それ程広くもない街の日常の景色の中で、空気の中で、少し(または大分)前にある人は文章や詩を書き、曲を創り、絵を描き、そしてある人は殺され、またある人は収容所へ送られその生涯を終えた。どれも全て、今私の住む家の近くで起こった「身近な」出来事だった、という事。それから陽は沈みまた陽は昇って、そのまま今日の生活に続いているという実感。

古い建物をそのまま使い続けるということは、そのような空気も一緒に引き継ぎ続けるということで(島であるヴェネツィアでは特に、建材の調達が困難であったことからそうせざるを得なかった事もあるのだろうが)、昔の建物を壊し新築を繰り返すということは、それ以前にあった目に見えないもの達も一緒に壊し、一度壊してしまったら、それらを再び蘇らせることは不可能だろう、ということを、日々漠然と感じながら生活している。
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by sumiciki | 2011-02-13 04:40 | 日々の生活で

ブロガーコンテスト、終了です

前回お知らせした「ラフスピブロガーコンテスト」、無事(?)終了しました。
皆さんに応援していただきましたが、残念ながら賞品の「理想の旅行」は受賞できず・・・!
受賞されたのは、カンボジアで雑貨などに興味を持っていらっしゃる方でした。受賞した彼女と私、写真だけは似ていたんですが(笑)。
受賞は逃しましたが、今回の私の無茶なコンテスト参加にも関わらず、久しぶりの友人が連絡をくれたり、意外な方から応援メールをいただいたりしました。
結果は大切でしょうけれど、このことだけでも、「あ、参加したことはよかった」と思います。なんでも、やってみるものだなと思いました。
今回の参加で、行きたい所や見てみたい所を考える機会になったので、今後は少しずつ自分でも行けるといいなと思っています。自腹なので、少しずつ(笑)。
皆さんを巻き込んでのブロガーコンテスト、たくさんの応援どうもありがとうございました。
ブログは今後も続けていくつもりですので、よろしければ時々覗いていただけると嬉しいです。
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by sumiciki | 2011-02-08 04:57 | イベント

ヴェネツィア在住。雑記帳ブログ。
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