ヴェネツィア・スクラップブック

ローカル線でヴェネツィアからボルツァーノへ

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ボルツァーノ・スクラップ

丸々二日間仕事がなかったので、ふと思い立ってヴェネツィアからボルツァーノへ出掛けてみることにした。

往路復路共に急ぐ必要はないし、車窓から景色を眺めるのも楽しいし、なにしろイタリア(Trenitalia)のローカル線料金は安い。そういう訳で今回もローカル線を利用。

ヴェネツィアから西へ、パドヴァ~ヴィチェンツァを通り、ヴェローナで乗り換え、そこから北へ上がり、ボルツァーノへ向かう。所要(待ち時間含む)約4時間20分で、15.7ユーロ(2011年12月現在)。

ヴェネツィアからヴェローナまでは、まあ普段使っている、イタリアの列車。所要約1時間40分(実際はもっと遅れ、乗り換えに間に合うかひやっとしたが)。
それがヴェローナで乗り換えたら、列車の車体は大して変わらないのだが、車内の注意書き等が既にドイツ語併記になっている。これからドイツ語圏に向かうのだという気持ちの用意(?)ができる。ここから北へぐんぐん上がって行く。

列車がヴェローナを出発すると間もなく、岩山が迫ってくる。緑色の低木は茂るが、その下からは岩が剥き出している。線路の近くには、切り出された石や木材の置場が何ヵ所か見られる。

線路のすぐ脇の平地から山裾までずうっと広がって見える、添え木に支えられた低木の連なり。
手元の地図を見ると、「Valpolicella」とある。ヴェネト州の名物ワインのひとつ、ヴァルポリチェッラは、ここで生まれているのだ。

線路左手の河はアディジェ河。これから向かう地方、「アルト・アディジェ」地方とは、「高い(=上方の)アディジェ」という意味だから、アディジェ河に沿ってその上流へと向かっていくというわけだ。

ローカル線だから、途中小さな駅(ホームには駅員も見えないし、それらしい駅舎も見えず。無人駅?)を通っていく。ヴェローナを出発してからわずか30分ちょっとで既にこのような景観に入っている。

駅名を全て控えているわけではないが、Avio~Ala~Moriと来て、やや大きな駅に。Rovereto駅だった。その後、列車右手前方の山間の高台に、石造りの城が聳え、眼下に街を見下ろしているのを車窓から眺める。
手元のイタリア語のガイドブックを読むと、ロヴェレートの街は1416年から1509年までヴェネツィアの支配下にあったとある。養蚕と紡績が盛んだったこの地は、当時セレニッシマと呼ばれ海洋国家として力を持っていたヴェネツィアの、ヨーロッパに向けての門とも呼べる位置付けだったらしい。

途中駅で最大の駅、Torento駅を通る。トレンティーノ・アルト・アディジェ州の州都。
ここを過ぎても、まだ葡萄の木が続く。インダストリアル・ゾーンに混ざっても、まだ続いている。

Lavis、Mezzocorona駅を通り、その後のSalornoという駅からは、プラットホームにある駅名がイタリア語とドイツ語併記が始まる。Salorno(Salurn)~Ora(Auer)~Bronzolo(Branzoll)~Laives(Leifers)と、似ている様でちょっと違う、ドイツ語表記。

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そして終点、ボルツァーノ(Bolzano/Bozen)駅に到着。ヴェローナからは2時間15分ほど。
駅の近くを河幅広くアディジェ河が流れ、車窓から見える山の斜面、日が当らない部分に根雪が残る。

駅構内のアナウンスは、始めにイタリア語、続いてドイツ語で。構内のトイレ個室には温水暖房が備付けてあって既に温かくなっていた、寒い地方に来たのだと感じる。

イタリアの中の、ドイツ語が日常使われている街。方言とは違うのだ、外国語なのだ。

今日ではイタリアなのに、その国とは違う言語が日常的に使われている街(もちろんイタリア語も使われているのだけれど)、つまり少し前まではイタリアではなかった街に、入った。

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by sumiciki | 2011-12-05 08:36 | イタリア(ヴェネト州以外)

ヴェネツィア在住。雑記帳ブログ。
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