洗濯物干しイロイロ
ヴェネツィアも、太陽の出ていない早朝と晩はまだ肌寒いけれど、日中の太陽が出ている間はポカポカして気持ちのいい時期になった。
青空をバックに洗濯物がはためく景色を見ることも多くなってきた。
見ているこちらもなんだか、気持ちがいい。
前回に引き続き、ヴェネツィアの街にはためく洗濯物たち。
オステリアの上にも。
(↑ちなみに時々洗濯物から水滴が垂れて来た経験アリ。)
日本(東京)に住んでいた時には、勝手に洗濯物というのは「バルコニーや庭に干すもの」と思い込んでいたけれど、
所変われば洗濯物の干し方も変わるんだなあ、こんな当たり前の事に気付いたのも、こちらヴェネツィアに住んでから。
基本的に一戸建てではなくアパート群(所有者は一家族だとしても、住宅形状がアパートメント)から成るヴェネツィアの街。
運河に面する家の場合は、こんな感じになっている。
ちなみに、運河に時々靴下などが落っこちているのを見たことがあります。お気の毒だが、コレはちょっと拾えない。
普通のアパートでは、こんな感じ。
私のアパートもこの方式なのだが、
ロープ両端に滑車が付いていて、洗濯物をロープに吊下げた後でキーコキーコとロープを回して干す。
しかしご覧の通りロープが壁に沿っているので、白いシーツとかブラウス等が風にはためくと・・・壁にヒラヒラとブチ当たって、見事に汚れる(建物は何世紀も昔の建物。見事に粉埃が着きます)。
こんなコトでショックを受けてはいけない。はたくか、それでダメならそこだけ洗い直せばよいのです。
また、上の写真をご覧頂くとお分かりのように、上階と下階の洗濯ロープの位置が、同じ場所にある。
窓がそこにしかないから仕方が無いと言えばその通りなのだけれど、
そして私の家でも時々起こる事なのだが。
晴れた日の朝に干した洗濯物が、夕方の取り込む時分になってもまだ濡れている事がある。
「ん?もしや・・・」と思って上を見ると・・・
上階の住人の洗濯ロープに干された洗濯物から水が滴って、真下に干してあった私の洗濯物が見事に濡れていたりする・・・。
こちらの洗濯機は古くて脱水機能がイマイチのものも多いし(こちらに暮らして初めて、日本の洗濯機のスゴサが分かります)、同じ場所にしかロープがない。
こんなコトでショックを受けてはいけない(別に受けてもいないんですが)。
そういう時には、こちらの洗濯物も暫くそのまんまに干しておいて、また乾くのを待ちます。
話題は変わりますが、
洗濯機を回すのにも、結構時間がかかるのは、私の家の化石と化している洗濯機だけではないと思う。
いつぞや、ルームシェアのアパートに入居したばかりの留学生が、「うちの洗濯機、3時間経ってもまだ洗濯してる~!」と悲鳴をあげていましたが、あながちウソではないのではないかと思っている。
洗濯物干しのみならず、洗濯機も手強い。
なんてことはない洗濯物ひとつとっても、国や街が違えばこんなに違う。
細かいことをあまり気にしない大雑把な私の性格が幸いしている、ヴェネツィアの洗濯物事情なのでした。
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by sumiciki
| 2013-04-25 19:36
| 日々の生活で
春・始まる
「あそこにロンディニがいるよ、見える?あれが来たから、もう、春だよ。」
と教えてくれたのは、船の運転手さん。
ロンディニ、というのは、イタリア語でツバメ達のこと。
彼等はアフリカから、春とともにヴェネツィアにやって来るのだそう。
そして冬になる前に、またアフリカへ帰って行く。
「思えば、3月には冬のもの全部、あったよねえ」と、運転手さんとのおしゃべり続く。
「山では雪、ヴェネツィアの霙に、ずっと続いた雨に、アックア・アルタ(高潮で水が上がる現象)。全部あったねえ・・・。」
このヴェネツィアにも、ようやく春がやってきた模様。
数日前までダウンを着て外出していたのが嘘の様に、突然ポカッと暖かくなった。
日中の気温は20度くらいまで上がっている。
こんな日は、洗濯モノも・・・・・・
狭い路地は、こんな感じに。
ちょっと広めの路地では、こんなーでした。
気持ちいい眺め。
洗濯物が広がる下で、立ち話のおじさんとおばさん。
お散歩の途中で一休み?しながらひなたぼっこの、おばあさん。
ヴェネツィアも、やっと、春です。
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by sumiciki
| 2013-04-16 08:04
| 日々の生活で
船トラフィック
やっとヴェネツィアにも春が!
・・・と喜んでいた途端、
この土曜日から街に観光のお客さんの数がどっと増えた・・・というのは気のせい?
細い路地に、人が溢れ始めたこの週末。
多分気のせいではなくて、
ヴェネツィアに大型客船が寄港し始めた模様。
サンマルコ広場の前を大型客船が通って行く時は・・・
こんな様相を、呈する(写真が大分白っちゃけてしまいました・・・失礼)。
手前にゴンドラ、その次にヴァポレット(水上バス)、その向こうにまた別のヴァポレット、その先に客船。
・・・湾の混雑。
混雑、というだけではなくて、近くから見ると、船の立てる波というのは相当に大きく、小型船(ゴンドラはもちろん)への影響は大きいだろう。
これが、陸のトラフィックとは大きく違うところ。
大きな船が通る時は・・・
船の向こう側の島にある鐘楼が・・・
隠れる。
マンションのように(?)ドデカイ船が、横切って行く。
話は変わるが、14日(日)の10時~15時の間、ヴェネツィアのエコの日、ということで、
モーターを載せたプライベートの船がカナルグランデ(大運河)の通行をブロックされた。
通れたのは、ヴァポレット(水上バス)始め、公共の船のみ。
ミラノやローマで時々日曜日に「自家用車の排気ガスを規制しよう」ということでやっているのはテレビのニュースでやっているのは見たことがあるけれど、どうやらヴェネツィアでも実施された、らしい。
しかし・・・
もともと車が無い街で、カナルグランデを通るプライベートのモーター船の数というのは他の街の車のような数ではないだろうし、規制対象になった船は他のジュデッカ運河を通っているし、
そのうえに大型客船は関係なく通っているし(もともと客船はジュデッカ運河を通りカナルグランデは通らないので、規制に関係ナシ)。
個人的な感想だが・・・規制の効果はどれだけあるのだろう??
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by sumiciki
| 2013-04-15 05:14
| 日々の生活で
中世の建物で、詩の朗読を聴く
少し前になりますが(相変わらずアップが遅くて失礼・・・)去る3月21日、
友人が参加している詩の朗読のイベントを覗かせていただいた。
場所は、パラッツォ・グリマーニ。
ヴェネツィアのサンタ・マリア・フォルモーザ広場から程近い所にある美術館で、観光スポットであるリアルト橋からも徒歩で10分とかからない場所。
企画展を開催している時期もある。
この日は「国際詩の日」だそうで、それにちなんだイベントだったらしい。
彼等は「Casa delle Parole」(ことばの家)という詩の朗読のイベントを恒例で催しているのだけれど、
今回が普段と趣向が違っていたのは、詩を朗読する人も、聞く(「聴く」、と書いた方が近いかもしれない)人も、美術館内の部屋から部屋を移動しながら、ということ。
今回の詩のテーマは、外国人がイタリア美術について綴った詩、とのことで、
そのテーマに沿った色々な言語の詩が、それぞれのオリジナルの言葉で、部屋を移りながら朗読されていく。
こんな雰囲気の中で、詩の朗読を「聴」いた。
聴く人達は、こんな感じで、近くで立って聴く。(椅子に座っていらした年配の方もいらっしゃいました。)
朗読の後の、拍手。
友人のFちゃんが朗読したのは、斎藤茂吉がイタリアを訪ねた時に詠んだ詩集「遠遊」より選んだ5点。
それらの句とイベントについては、彼女がブログで詳しくご紹介しているので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。
詩は「(目で)読む」ものだと思っていたけれど、
同じ詩でも、耳で「聴く」詩は、目で「読む」詩とは、違った顔を見せる。
詩は、音楽でもあるんだな、と、詩の持つ音の効果というものを、感じながら聴く。
このイベントの面白いところは、それぞれの詩の「オリジナルの言葉」で朗読すること。
イタリア語、英語、フランス語、ロシア語、そして日本語・・・。
中にはもちろん内容が分からない言語もあるのだけれど、
その場合には内容が分からない分、よりその詩の持つ音楽性や、声が伴うことで詩から溢れて来る力みたいなものを、聴くことができるのだった。
そしてこれまた感じたのは、「日本の詩句って、短い・・・」ということ(笑)。
他の言語で詩が朗読される中で日本語の句を聴くと、その短さがより際立つことになる。
今回は、斎藤茂吉の五七五七七の句だったわけだけれど、
他の言語で朗読された詩達が、詩の文そのものでその世界を伝えるという印象が強かったのに対して、
日本の歌というのは、その言葉数の制限のおかげで、その選び抜かれた短い短い言葉によって創り出される、その外に拡がる世界とのコントラストがいかに大きくそしてオモシロイものであるか。
パラッツォ・グリマーニは1500年代に増築された中世の建物で、その中で詩の朗読を聴くというのは、ちょっと面白いイベントだったのでした。
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by sumiciki
| 2013-04-11 19:57
| イベント
夜の光と陰と、そしてアックアアルタ
ここのところ「水難の相」が出ているのか(?)、ちょうどアックア・アルタ(ヴェネツィアの高潮現象)がある時間帯に限って、水に浸かりやすい場所で仕事をする羽目になっている・・・。
ツイテいないと言えばそうなのだが、まあ、濡れるだけで別に自分が溺れたりするワケではないので、よしとしよう。
という訳で、今日は事前に「夜22時40分に105センチ」という予報が出ていたので、昼から既に長靴を履いて外出。
午後にはまだ雨も降っていないしもちろん水も上がっていないので、既に長靴を履いてスタンバッている私はちょっと浮いた格好になっていた。
が、履いていてよかったー。
21時45分頃のサンマルコ広場。
ご存知の方も多いと思うが、サンマルコ広場はヴェネツィアの中でも地面のレベルが最も低い場所のひとつ。
なので、既に広場のあちこちから、水がゴボゴボと、勢いよく湧き出て来ていた。
少しアップにすると、こんな感じだ。
サンマルコ広場の場合、水は、「運河から溢れる」のではなく、「下から浸み出て」来る。
事前の予報に合わせて、広場には既に歩行用の台が渡されていて、広場の中の水に浸かってしまった所を通る人達は、この上を通って行く。
広場のカフェのテラス席。さすがに無人。
回廊も、こんな感じ。
長靴を履いている人しか通れない状態。
でも、夜の小雨と、光と陰と地面に拡がって行く水。
ヴェネツィアは時としてこんな美しい一時を現出させることがある・・・。
長靴履いてきて、本当によかった!
ちなみに、今回の105センチとは、全く日常レベル。
昨年11月の水位149センチレベルのサンマルコをご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
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by sumiciki
| 2013-04-08 20:48
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